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幼少より読書が好きで 周りの子たちの
数倍の本を読んでいたように思います。
小学校の頃に読んだ本は
宮沢賢治『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』
志賀直哉『小僧の神様』『城の崎にて』
武者小路実篤『友情』
夏目漱石『坊ちゃん』
ジュール・ヴェルヌ『十五少年漂流記』『海底二万マイル』
ダニエル・デフォー『ロビンソンクルーソー』
スウィフト『ガリヴァー旅行記』
スティーブンソン『宝島』
マーク・トウェイン『トム・ソーヤーの冒険』
コナン・ドイルのシャーロック・ホームズシリーズ など
他のもいろいろと読んでいますが
いわゆる文学作品といわれるようなものが好きで
特に海外の冒険物が好きだったようです。
小学生にしてはなかなかのチョイスのように感じますが、
おそらくは父親の勧めで読みだしたんだと思います。
うっすらとそんな記憶があるので。
あ、ちなみに中3諸君、ほかにもたくさんあるけど
これくらいの作品名と作者は覚えておこうな!
そんな読書少年だった私が
うっかり手を出してしまったのが以下の三つ
夏目漱石『吾輩は猫である』『草枕』
ドストエフスキー『罪と罰』
小学生には難しすぎたんです。
根性で猫だけは読み切りましたが、他の二つは挫折。
以来単純なもので、『この二人の作品はつまらない』
と思い込み読まなくなってしまいます。
坊ちゃんは読みやすかったのでよかったのですが…
その後何度か漱石の作品に出合いましたが
やはり面白いと感じず、ただただ難解で退屈な文章
という印象しか得られず
「どうせ有名な作家の作品ってそういう作品なんでしょ」
と思ってしまい文学作品を読むことも少なくなってしまいました。
大学に入り、学術書ばかりを読み漁るようになってから
講義で扱われたシェークスピアに手をだし
そこからまた文学作品熱が向上してきます。
リチャード三世がかっこよかったんです。
同時期にロシア文化論という講義で扱われたドストエフスキー
小学生にはまったく理解できなかった作品を解説され
本棚の奥深くに隠れていた
『罪と罰』『カラマーゾフの兄弟』
を引っ張り出します。
難解で苦労はしましたが、ここでやっと
ドストエフスキーの作品の深さに気づき、
ドストエフスキーを面白いと感じるようになりました。
その後海外作品を基本に文学作品、古典を読み
そして最近たどり着いたのが
夏目漱石、森鴎外、太宰治、幸田露伴
といった文学史に名を残す作家たち。
何度か作品は読んでます。
しかし、面白いと思えなかった作品。
それがここ1年ほどですが、急激に面白いと
感じるようになってきました。
小学校、中学、高校、大学と触れてはきた漱石。
それが今になってやっと面白さがわかってくる。
よくよく考えれば当然で、
漱石ほどの評価をされる作家が書いた作品を
たかだか学生の人生経験の少ない小僧が理解できるはずもないわけです。
たとえば猫での作中の会話というものは
漱石が実際に知人と話していた内容に他ならないはずで
明治、大正という日本はこれからどうなっていくのか
という激動の中を生きてきた人間の思想が
そう簡単に今のうのうと生きている学生にわかるものか
という感じがします。
本を読むのは非常に有意義なことだと思いますし
ぜひたくさんの本を読んでほしいと思いますが
読む本はしっかり選ばないと危険なように思います。
私のように、間違って漱石と早く出会ってしまい、
「つまらない」と 感じてしまうと、
私はたまたま戻ってはきたのですが
漱石を読むことをやめてしまう可能性が高いのです。
読んだという記憶だけある、読んだけど面白くなかった。
そういう印象だけで終えてしまうには非常にもったいない作品なのに
だからこそ、文学界に名を残している作家であるはずなのに。
そうならないように、
読書指導というものができる人間
読んで理解できなかったときに、解説してくれる人間
が 近くにいるといいのですが、
なかなかそううまくはいかないものです。
続く