評定

2014.06.05 ZENTブログ

こんにちは
武田です。

現在各学年に向けて簡単に言ってしまえば
内申点は大事だから上げようね
という内容の記事を書いているわけですが、
なかなかこの内申点というのは上がりません。
上げようとしないと上がってくれないものです。

中学3年生の二学期になるとこんな噂が流れます。

 

 

「高校受験があるから先生は内申を甘くつけてくれる」

 

 

…アホかと。
ありえません。
受験が目前になってみんな必死で
頑張るからみんなの内申が
平均して少し良くなるだけです。
別に先生が甘くつけてくれるわけではありません。

媚びを売りまくると多少甘く
つけてくれることもありますが…

それはそれでどうなのかと思いますね。

頑張ったらその分しっかり評価してもらえる
その点は相対評価から絶対評価に移って
良かったことのように思います。
だって頑張ればいい評価をつけてくれるんですから。

反面、そうではない人も多くいますね。
男の子に多いように思います。

定期テストの点数は抜群に良い。
でも評定は「3」
授業態度が悪いんでしょうね。

塾に通っていると、たいてい学校の授業は
塾でやった内容をもう一度聞いているだけ
という状態ですから新鮮味もなく退屈。

特に出来る生徒にとっては
「はいはい知ってる知ってる」
という退屈な授業になることでしょう。

そんな生徒は何をするか。
寝る、塾の宿題をやる、自習をする
この三択でしょう。

ちなみに私は中学生の3年生の時に
ちょうど絶対評価に移った人間です。
勉強は得意でしたので学校では
一番だったと自負しています。

相対評価だったときはテストの点数で稼ぐので
問題なかったのですが、絶対評価になった途端、
内申がだいぶ下がった記憶があります。
納得いきませんでしたね。

なぜ90点以上の私が「4」で
70点台の子が「5」なのか

絶対評価の弊害はここですね。

頑張っていない、意欲がない
とみられると内申は下げられる。

細かく言うと絶対評価というのは
到達度評価認定評価に分かれています。

思うに、そもそも絶対評価って頑張ったか否か
意欲があるか否かってことは関係無いはずですよね。
ある一定の水準を超えていれば評定3が、4が、5がつく
というのが絶対評価のはずです。
ちなみに言葉の定義としてはこれは到達度評価となります。

たとえば、数学を例にすると
円の性質を使って基本的な問題が解ける→1
円の性質を二つ以上組み合わせて解く問題が解ける→2
円の性質を他の図形の性質と組み合わせて問題を解ける→3
円の性質を用いる中堅私立高校レベルの問題に対応できる→4
円の性質を用いる上位私立高校レベルの問題に対応できる→5
みたいなものが
到達度評価というものです。

学校の授業内容の理解を数値化し
高校受験という学力によるランク分けされたものに使うわけですから
公立中学校の内申のつけ方はこういう到達度評価であるべきではないでしょうか。

ですが、今の絶対評価というのは
意欲、関心、態度
という3つが重視されています。

そりゃできる子にとってはつらいですね。
わかりきっている内容をまじめに聞く
苦行でしかありません。
しかも難しい問題なんて扱いません。
退屈でしょう。
それで意欲がないと言われても…ねぇ…


思うに現在の学校の評価は到達度評価ではなく
認定評価の色合いのほうが強くなっているように思います。

認定評価というのは、ざっくりいうと
教師が認める基準をクリアしているかというものです。
舞踏、音楽などの芸能
スポーツ、職人技
というような技能スキルを評価するものです。

捻くれた言い方をしてしまうと
教師に気に入られているか否か
という評価基準です。
これが意欲、関心、態度に非常に深く関わってくるわけです。
人によって求める水準が違ってしまうわけですね。


お気に入りの生徒は低いハードルで
気に入らない生徒は高いハードルで
という設定になってもおかしくありません。
そもそも認定評価とはそういうものです。


教師だって人です。
人によって好き嫌いはあって然るべきですが、
それを理由に内申が決まってしまうのは
いかがなものでしょうね。


好みで評価されたらたまったものではありません。
それに、
社会に出たら頑張ったからOKという評価はありません。
頑張ろうが頑張るまいが、成果を上げればOKです。

会社に大損害を出した。
でもすごく頑張ったからOK! 昇格!
なんて会社はありませんよね。


そう考えると、どうせ社会に出たら、
受験は到達度評価的な評価なのだから、
学校も認定評価みたいなのは無しにして
到達度オンリーの評価に変えてくれた方がいいのにな…
と塾講師としては思うわけです。


塾講師という身分を捨てて考えると、
到達度のみで評価が決まるというのは
なんだか機械的な味気ない世の中になりそうで
嫌なのですがね…
評価をつけるというのは何とも難しいことです。
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