思春期、反抗期から他者意識へ

2019.11.13 ZENTブログ


性の目覚めは学力低下を招くのか
という質問がありました。





個人的に、この質問に関することはとても重要だと思っているので、こちらで考えを述べさせて頂きます。





長くて読みにくい文章かもしれませんが、ご容赦ください。
また、低下を招くか否かという問いには、結局「わからん」としか書いていないので、結論が欲しんだよ! という方は、お読みいただく必要はありません。





一介の塾屋でしかないので、専門家の方からみたら間違った事を書いているかもしれません。





性の目覚めは、「他人の目から自分がどう映るか」を考える良いきっかけとなります。





幼いうちは、周りの目線に意識が向かず自分の感情や、その瞬間に目がいったものに意識が持っていかれがちです。





それが徐々に成長していくとともに、周りの状況を考えられるようになっていきます。





小学校低学年くらいや、高学年になりかけの頃はまだ、周りの事は見えても「自分がどう見られるか」には意識が向かない子が多いようです。





皆さんの記憶にも、小学校くらいには平気で寝ぐせ頭ボッサボサで登場する子がいたと思います。





それがもうしばらくすると、「自分が人からどう見られるか」を意識するようになっていきます。





小学校高学年から、中学生の期間にかけて。





この時期になると、





質問のように性に目覚めたり





好きな子が出来たり





自分で洋服を買いに行きたくなったり





髪の毛をセットしてみたり





身だしなみを整えてみたり





逆に着崩してみたり





ということをしながら、自分というものを強く意識していくようになります。





思春期といわれる時期の到来です。





そして、そういった意識が「自分はどう見られているのか」という意識を育み、「みんなから良く見られたい」とか「あの子にいいところを見せたい」といった、「こうありたい」という意識を生みます。





この時期には様々な事に悩み、葛藤します。





なぜあの子は俺を見てくれないんだろう





アイツは何でもうまくやれるのに俺には出来ない





なんで勉強なんかしなくちゃいかんのだろう





なんでアイツと喧嘩になったんだろう





親とかほんとウザい





理想の自分と今の自分の違い





などなど。





そういった様々な思いを胸に抱え、しかしそのどれにも答えはなくて、苛立ち、行き場のないイライラが溜まり外にあふれ出てくる。





親の言う事をきかなくなってくるいわゆる反抗期というものは、こういった感情が原因です。





決して、特定の何かにイラついているのではありません。





しいて言えば、イラついている対象は自分自身です。





さて、で、性の目覚めですが、それはこういったモノたちと連動しています。





どういった悩みや思いが最初にくるかというだけで





好きな子が出来るのが先か





服を選びたくなるのが先か





親を疎ましく感じるのが先か





というだけで、どれが来るかはランダムであり、どれが来たからといって優越があるわけでもなく、そのすべてが精神の成長へとつながります。





ですから、そういったことに興味を持つのはいたって健全な成長であり、否定されたりするべきものではないと思います。





もちろん、親としては不安な部分はあるでしょうし、避けて欲しい話題かもしれません。





ですが、こういった興味、経験、悩み、葛藤を経て人は成長していきます。





好きな子のことばかり考えて、あるいは、好きな子とうまいこと親しくなり夜な夜なラインしたりしたくなり、そればっかりに没頭して成績が下がってしまうかもしれません。





これは好ましいことではないでしょう。





けれど、生徒たちを見ていると、そういった経験をしていないと精神面での成長が浅く、学力面のみならず全体的な成長が頭打ちになるように感じます。当然、学力の成長も頭打ちになるように感じています。特に、国語の学力は主観でしかありませんが、そういった事柄との関連が深く感じます。





最近、反抗期の来ない子が結構いるようですが、私は、ちょっとおかしな世の中になってないかな?と懸念しています。





「他人からどう見られるか」、「どのように見られたいか」というのは、人の成長に関わる非常に大きな要素です。





そして、その意識は「他者意識」となり、ゆくゆくは人は思い通りにはならないということや、相手の立場や相手の気持ちを想像し、尊重することへとつながっていきます。そうして、人は成熟していきます。





ですから、そういったことに興味を持つのはいっこうに良い。そういうものです。むしろ、持たない方が危険だと私は考えています。精神的な成長がないことの裏返しでもあるからです。





一時的に成績は下がってしまう可能性は十分にあります。あまりにもそればっかりで度が過ぎるようなら問題アリですからしっかり話をすべきです。けれども、その先を考えると経験しておいてしかるべきことで、大きな成長の可能性でもあるのですから、「成長途中なんだな」と余裕を持って見守ってあげるのが、私はいいと思います。


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