【2017】(ウソ2)ご褒美で子どもを釣ってはいけない

2017.05.08 中学生

<前回>の続きです。


 子どもからスマホを取り上げるだけでは、成績が伸びないというお話をしました。補足にて、スマホの利用が脳に影響を与え、学力低下を招くこともお話ししました。

 つまり


  ・学力を低下させる何かが排除されていること

  ・学力を向上させる何かが機能していること


 このどちらかが満たされていれば、効果の大小はあれど、成績というものは伸びていくはずです。前回お話ししたスマホは学力を低下させる何かであり、この場合はご家庭内ルールで制御することが大切です。



 他の例について、大人と子どもの比較で考えてみましょう。

 まず、低下させる事例から。


 大人  『給料低いんだから、働きなさい!』

 子ども 『成績低いんだから、勉強しなさい!』


 すごーく、嫌な気分になります……。

 単純に『勉強しなさい』というのは、相手をへし折る力を持ちます。子どもでも大人でも、やる気(モチベーション)を折られれば、作業の妨げになってしまいます。





 では、向上のパターンはどうでしょうか?


 大人  『仕事がうまくいったら、ボーナスアップ!』

 子ども 『成績上がったら、お小遣いあげる!』


 すごーく、やる気が出ます!

 ご褒美があれば、やる気(モチベーション)が向上し、作業も捗るというもの。


 早い話、人間は現金な生き物で、ご褒美があれば頑張れる




 しかし、日本人に特にある傾向として『物で釣るのは褒められたものではない』という意識があります。教育者の立場で言えば、自発的にやる気を出せず、何かご褒美がないと頑張れないため良くないと話している方も少なくありません。見方の1つとしてはありでしょう。


 しかし、私はあまり納得していません。




 まず、心理学的なお話。

 嫌なものへのやる気は最初から出るものではありません。掃除が嫌いな人は掃除を思い出してみてください。最初はイヤイヤですが、やっているうちにだんだんと、あっちもこっちもドンドン出来てしまいます。やる気というのはやっているうちに出てくるものです。心理学で『作業興奮』と呼ばれています。要するに、そもそもやらせなければことは始まらないのです。その入り口が『もので釣る』であるのはアリだと思います。


 次に、経済学的なお話。

 


 人間は効用を最大化するために行動するという考え方があります。メリットを最大限に受けられるように行動すると言い換えてもいいでしょう。子どもたちにとって、勉強することは目標にはなりません。学習意欲の高い子にとって志望校合格は明確な目標となりますが、勉強嫌いの子は志望校合格をどうでもいいと考え行動しません。その子にとってメリットが無いのです。そのメリットを『もので釣る』に置きかえてあげるのはアリです。


 最後に、実体験です。

 私が中学生の頃、定期テスト毎に母親から目標点を出され、上回るとお小遣いがもらえるというシステムがありました。無理難題ではなく、ギリギリのライン設定がされており、それに向かって勉強していました。もとから小学校の頃よりこうしたご褒美のある勉強ありましたが、中学生になってから定期テストの周期に合わせた規則的な学習へと変化します。


 その結果、学習習慣が確立されたのです。


 イヤイヤで始めた勉強だったにも関わらず、物につられ公立中学から慶應義塾高校へ進学したのですから、身につけた学習習慣の効果たるや絶大なもので、継続こそが学習における最大の武器であるという証拠です。



ダイヤモンドZaiより




 この他にも『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』などで、ご褒美によるモチベーション効果は語られています。ご褒美をあげるときに、注意していただきたいのは


 学習習慣を身につける


 というゴールへ向かう手段だということです。やり過ぎは甘やかしにもつながります。飴と鞭のように、バランスが必要です。


 <次の記事へ>

ZENT進学塾

資料請求・無料体験のお問い合わせ